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わんちゃん

犬の歯について|犬の歯の特徴やトラブル、歯磨きについてご紹介

愛犬の歯みがきが上手にできない…動物病院で抜歯した方がいいと言われたけれど…
愛犬の歯にトラブルがある場合、どのように対応するといいか、悩んでしまいますよね。
実は、2歳以上の犬の約8割は歯周病予備軍と言われるくらい、愛犬の歯の健康を保つことは難しいのです。

この記事では、犬の歯の役割や歯みがきのやり方、歯周病の症状や治療法などについてご紹介しています。

犬の歯についてのよくある質問にも回答していますので、ぜひご参考になさってください。

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犬の歯の種類と数

犬の歯は、人の歯と違い、ものを引きちぎり、丸のみするのに適した形をしています。
犬の永久歯は全部で42本あります。

左右の上顎はそれぞれ切歯(いわゆる前歯;毛づくろいや、食べ物を噛み切るときに使用)が3本、犬歯(噛み切る役割のある尖った歯)が1本、前臼歯(犬歯の後ろに続く歯;食べ物を飲み込めるサイズに切り裂く役割)が4本、後臼歯(通常すりつぶす役割のある歯だが、犬の場合は食べ物を噛み切るときに使用)が2本、左右の下顎はそれぞれ切歯が3本、犬歯が1本、前臼歯が4本、後臼歯が3本あります。

人の歯は全部で28本なので、犬の方が多くありますね。

なお、犬の乳歯は計28本で、左右の上下顎はそれぞれ乳切歯が3本、乳犬歯が1本、乳臼歯が3本存在します。

後臼歯と例外的に第1前臼歯は一代性歯であり、生え変わらず乳歯が存在しません(ほかの歯は二代性歯)。

犬の歯の萌出時期と乳歯遺残

犬の乳歯の萌出(ほうしゅつ)時期は、切歯が3~4週齢、犬歯が3週齢、前臼歯が4~12週齢、永久歯の萌出時期は切歯が3~4か月齢、犬歯が4~6か月齢、前臼歯が4~6か月齢、後臼歯が5~7か月齢となります。
永久歯の萌出時期が近づくと、永久歯は乳歯の歯根を吸収しながら押し出すように萌出します。
歯根の吸収が十分に行われず、乳歯が脱落しない場合には、乳歯遺残を引き起こします。

乳歯遺残とは、永久歯が生える時期を過ぎても乳歯が残ってしまう状態を指し、小型犬よくみられ、特に乳犬歯で生じます。
乳歯遺残を放置すると、永久歯の不正咬合を招き、異常な歯列による口内炎や歯肉炎、歯周炎を起こすため、抜歯が必要となります。

犬の歯周病について

冒頭でもお伝えしましたが、成犬のほとんどが歯周病の予備軍と言われています。
歯周病とは、歯を支える組織(歯根膜、歯槽骨、歯肉、セメント質など)が破壊・吸収されることで歯を失ってしまう病気のことです。
そもそも、歯周病の原因は、歯垢(プラーク)の中にいる歯周病細菌です。


この歯周病細菌が歯を支える組織に炎症を起こし、さまざまな症状を示します。

歯周病の症状とは?

犬の歯周病でよくみられる症状としては、口臭がある、歯肉から出血をする、歯肉が腫れるといったことです。
ほかにも、食べづらそうにしている、よだれが多くなった、前足で口周りを気にしているなどで気づかれることもあります。
顎や頬部まで炎症が広がり、顔が腫れる場合や、眼の下に穴が開くこともあります。

また、歯周病が進行すると、口周りの症状のみならず、全身症状を示すこともあります。
元気がない、食欲がないといったことは、いろいろな病気の一症状として現れますが、歯周病でもみられることがあり、注意が必要です。

なお、犬は人と違って虫歯にはなりづらいです。
というのも、人の口腔内が弱酸性である一方で、犬はアルカリ性であることなどが理由とされています。

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犬の歯周病の検査

犬の歯周病は、初期段階では目に見える症状が少ないため、動物病院では、歯肉の状態や歯石の有無、歯のぐらつきや出血などを注意深く観察します。
麻酔下で歯周ポケットの深さを測定したり、歯科用レントゲンで、歯の根元の状態の確認や、外見では分からない歯周炎の進行を評価します。

犬の歯周病の治療法と抜歯

歯肉が腫れていたり、歯肉が痩せていたり、歯石が多くついている場合には、動物病院での歯科治療を検討しましょう。
麻酔をかけて行う歯石除去では、歯の表面のみならず、歯周ポケットに隠れた歯石や歯垢を除去することができます。
歯石は超音波スケーラーという機器で除去し、歯石を除去した歯根面はグレーシーキュレットで滑沢にすることもあります。
最後に歯の表面の凹凸をなくすため、ブラシと研磨剤で研磨するポリッシングを行います。

なお、無麻酔での歯石除去を行う施設もありますが、肝心な歯周ポケットの汚れを取れないこと、処置を犬が怖がり、歯磨きを嫌いになってしまう場合があることなど、デメリットもあります。

犬の歯科処置は基本的に、全身麻酔と局所麻酔をあわせて行います。
抜歯には歯科専用の器具を用い、歯槽骨と歯を繋いでいる歯周靭帯を断裂させ、歯槽骨から脱臼させて抜歯します。
歯根が複数ある歯の場合は、専用のバーで2~3分割してから抜歯します。
抜歯した穴の汚れを取りのぞいた後、要に応じて歯肉を縫い合わせて終了です。

抜歯が必要な歯とは?

抜歯が必要となる歯は、歯周病によってぐらつく歯や折れた歯で飼い主様が保存を希望されない場合や、乳歯遺残の場合などがあります。
歯が折れても、神経が露出していない場合には、コンポジットレジンなどで修復したのち経過をみることもあります。

犬の歯のケアで最も大切なことは歯磨き!

愛犬の歯を守るためには、なによりも歯磨きが大切です。
そして、子犬のうちから行うことで、無理なく楽しく行うことができます。

犬の歯磨きのやり方は、いきなり歯ブラシを使用して行わないことが重要です。
私たちでもそうですが、急に長い棒が口の中に入ってきたら怖いですよね…
これは犬でも同じであり、まずは口周りを触ることに慣れさせることから始めましょう!

顔や口周りを触れることに抵抗がなくなったら、指を歯肉にあててみましょう。
ジェルタイプの歯磨き粉をつける、ちゅーるなど液状のおやつを塗ってから行うことで、嫌がらずにできることが多いです。

指を入れることに慣れてきたら、歯ブラシを持って口の中に入れてみましょう。
最初はみがくというより、噛ませる感じで行ってみるといいですね。

なお、歯と歯肉の間に歯垢はたまりやすいため、そこを中心にみがいてあげるよう意識して行ってみましょう。

ちなみに、最も汚れやすい部位は上顎の臼歯です。
歯の内側は歯磨きが難しいので、最初は外側から始めましょう。

犬の歯垢は、3~5日程度で歯石に変化すると言われています。
人では14~20日程度かかると言われているため、すごいスピードで歯石になることが分かりますよね。

歯磨きシートの誤食に注意!

歯磨きシートを用いて歯のケアを行う方も多くいらっしゃいますが、歯磨きシートの誤食事故はとても多いです。
誤食をした場合には、胃腸につまる可能性もあるため、動物病院で吐かせる処置をする必要があります。
歯磨きシートを用いるときは、しっかり指に巻き付け、愛犬に食べられないように注意をしましょう。

なお、歯磨きシートは、最もきれいにすべき歯と歯肉の間のケアが難しいこと、また誤食事故が多いために、できる限り歯ブラシによるケアを推奨します。

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当院であった歯磨きができるようになった事例

あるご家族が、お家のわんちゃんのお口の状態が悪そうだったので近くの動物病院を受診しましたが、そこの獣医さんにはこれくらいなら大丈夫と言われたそうです。

それでも口の状態が気になった為に、当院を受診されました。

口の中を観察すると歯肉の状態が悪く、残念ながら歯科治療で複数本の抜歯が必要な状態でした。
抜歯後に、ご家族の方はもうこれ以上歯を抜歯しなくてもいい状態にしたいと、今までやらなかった歯磨きにも挑戦し、上手に歯磨きが継続できるようになりました。

以降定期的な動物病院でのメンテナンスをしながら、抜歯する歯もなく健康的なお口の状態を維持しています。

よくある質問

Q. ウェットフードは歯垢がつきやすい?

一般的には、ドライフードよりもウェットフードの方が、歯垢が付きやすい傾向にあります。
そのため、成犬の場合、基本的にはドライフードをメインであげるといいですね。

ドライフードは噛むときに唾液がたくさん出るため※、物理的な摩擦と合わさり歯が汚れにくくなります。(※ある程度大きめの粒や特殊な形の場合)
とはいっても、水分を摂るためにもウェットフードはとても重要です。
どちらの食事も適量あげることで、歯を含めたからだ全体の健康を保つことができます。

逆に問題がある歯は、痛がって噛まなくなるため歯石などがついて汚れが目立つようになります。反対側の歯と比べて汚れているときは、その歯が問題になっている可能性があります。

Q. 犬の歯みがきの頻度は?

歯磨きの頻度は、できれば毎日が理想です。
歯磨きができなければ、口を触る練習から始めましょう。

歯磨きができるかどうかで、歯周病の予防ができるかが大きく変わってくるので、少しずつでも毎日歯ブラシができるように頑張りましょう。

Q. 歯みがき粉は使用した方がいい?

風味がついていると歯みがきが好きになる愛犬が多いことから、適量を使用した方がいいでしょう。
ただし、人用の歯みがき粉には、犬にとって中毒成分となるキシリトールが含まれていることがあるため、使用しないようにしましょう。

Q. 歯みがきができない場合は?

歯みがきが大切!と分かっていても、どうしてもやらせてくれない子はいます。
その場合には、歯みがきガムを使用して、歯垢を落とすようにしましょう。

おすすめの歯みがきガムは、丸のみができないようにある程度の大きさがあり、弾力があって、硬すぎないものです。
骨やひづめ、牛皮などのあまりにも固いものをあげると、歯が折れるケースもあります。

また、犬には利き歯があるため、ただ渡すだけだと、毎回同じ側の歯でかむようになります。
人が持って、左右どちらもかませてあげましょう。

Q. 急に歯みがきを嫌いになったけど…

今まで問題なく歯みがきをしていたのに、急にできなくなった場合には、口腔内にトラブルがある可能性もあります。
痛みや違和感があることも多いため、愛犬が歯みがきを嫌がるようになったときは、受診をおすすめいたします。

Q. 犬の歯は抜いても大丈夫なのか?全部抜いても大丈夫?

歯がなくなると、食事が摂れなくなるのでは?と心配される飼い主様も多いですが、犬の歯は全部抜いてもほぼ問題なく生活を送れます。
というのも、犬は人と違って、咀嚼をせずに丸のみをする動物だからです。

ただ、犬歯や切歯を抜歯すると、舌が口から出たままになることがあります。

また、多くの歯を失うと唇や周囲の被毛が口の中に入るようになったり、唾液が外に流れて顎が皮膚炎を起こすケースもあります。

Q. 抜歯した後の食事について

術後しばらくは、傷口の保護のために、柔らかいフードをあげるといいでしょう。
抜歯から数日たつと、ドライフードのように小さいものなら、問題なく食べられるため、今まで通りの食事の戻せることがほとんどです。

あまり大きい食事を与えると、歯肉で噛みちぎれず食べにくくなるため、小さめのものをあげるといいです。
歯周病の痛みから解放され、抜歯以前より食欲が増えるケースも多々あります。

Q. 抜歯の際、麻酔が心配だけど…大丈夫?

一般的には、麻酔をかけられるかどうか?血液検査などの全身チェックを行ってから麻酔をかけるようになります。
年をとっているから麻酔が心配…とおっしゃる方も多いですが、全身状態に問題が無ければ、麻酔のリスクをしっかり理解した上で、適切な処置を受ける分には、大きなトラブルが生じる可能性は低いでしょう。

まとめ

愛犬が健康的に過ごすためには、歯みがきを行うことがとても大切です。
嫌がる場合には、口を触るところから練習をして、毎日磨けるように頑張りましょう。

歯みがきが上手にできない…歯肉から出血する、口臭がある…など気になることがありましたら、動物病院を受診して相談してみましょう。

犬の歯についてのご質問や定期検診は、品川どうぶつ歯科へお気軽にご相談ください。
また犬の歯磨き教室も定期的に開催しています。こちらもあわせてご利用ください。

監修:品川どうぶつ歯科 獣医師小原
保有資格:ISVPS小動物歯科口腔外科認定医

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